2024/05/02 17:31


絨毯屋さんに行くと
『これは織が細かいから良い品だよ』とか
『これはココに工房のサインが入っているから良い物だよ』
なんて話聞きませんか?

織の細かさでわかることは【仕事の量】です。

確かに、織が細かければ手間がかかっているのは事実です。
でも、【良い】【悪い】かは別の問題です。
織が細かくてもデザインが崩れたものもあるし、
織が粗くても優れたデザインの物もあります。
崩れていても味があって良いなんて物もありますが。(織部の沓茶碗のような力強い感じ・・・)

また、著名な工房、たとえば・・・
セーラフィアンとか、マスミとか、アラバフ、アモグリ・・・
有名工房はあまたあります。
良い物を作り続けてきた結果としてのブランド力です。

ですがペルシャ絨毯は工業製品ではありません。
手仕事です。
その工房だから絶対間違いなく良い物かと問われれば、?です。
画家と違って、工房の主が織っているわけでもありません。
多くの織子を抱えて作っていれば、その中にも上手い人も下手な人もいます。
偽物も多いし、

では、何を見たら良いのか?

僕は
まず全体をよく観ます。
俯瞰で観ます。
上下、左右のデザインバランス。

柄が『パキ!』っとしているかどうか。(ぼんやりの反対な感じ)
触った時の質感。(織の密度を感じ取ります)

この時に、頭の中にどれだけ多くの良い物を観てきたデータが詰まっているかが目利きとしてのポイントです。
重要なのは、良い物を多く観るです。
見れば良いってものではありません。

美術館で観るとか、良い物を扱っている店に行くとかして、良い物をじっくり観ます。
そこで必要なのは能書きでもスペックでもありません
絨毯はスペックで見るのではなく、感性で観ましょう。

そうやって観てきた物の中からあなたが選んだものはきっと良い物に違いありません。
自分が使って気分が上がる、楽しい気持ちになる。

そんな絨毯をさがしてみましょう。
日々の暮らしが豊かになります。