2025/04/28 14:18

19世紀のセネが生んだ、幻のメダリオン。
最初にご紹介したいのは、この1枚!
**1860年頃、イラン・クルディスタン州セネ産(サナンダジ)**の逸品です。
この絨毯は、『ペルシャ絨毯文様事典』にも掲載されている名作。
そして、私の屋号のThinktionのロゴにも、この絨毯のメダリオンデザインをモチーフとして使っています。
セネは、現在ではリーズナブルな手織り絨毯の産地として知られていますが、
19世紀中頃には、まさに"黄金時代"。
とりわけ、縦糸に虹色のシルクを使った手の込んだ絨毯たちは、
現代でも美術品クラスの価値を持ち、オークションでも高値で取引されています。
この作品も、まさにその時代の光り輝く一点です。
今回の絨毯は、セネとしては非常にレアなデザイン。
まるでナスカの地上絵を思わせる大胆なメダリオンを中心に、
四隅には「ヘラティ」という小さな花と葉をモチーフにした連続模様が施されています。
セネといえば、マヒ柄やヘラティ柄が今も多く織られていますが、
このようなダイナミックでモダンな構成の絨毯にはなかなか出会えません。

私はこのデザインが、とても、とても大好きです。
フィールドを彩る赤色も絶品で、
「アブラッシュ」と呼ばれる自然な色むらが**イイ感じ!**に表れていて、
眺めているだけで、心が躍ります。
大変貴重な、美術館級の逸品です。
正直、価格をつけるのもためらうほど。
でも、絨毯好きの皆さまには、ぜひ一度、手に取って、心で感じていただきたい――
そんな一枚です!